巫女のMさん(中編1)
【オカルト】【カミカゼエース先輩シリーズ】巫女のMさん(前編)の続きです。
あとは妹のMさんを待つだけなのだが、待ち合わせ時間を過ぎてもMさんは来なかった。
もっとも実家から市内中心部に出てくるのに、交通機関を乗り継いでくる必要があるから、時間がかかっているのかもしれない。
そして待ち合わせ時間から20分ほど経った時に、突然「うーっす」と声をかけてきた女性がいた。
するとKさんが呆れた顔をして、その女性に向かってこう言った。
「遅いじゃない。いつも時間は守るように、と言ってるでしょう」
「しゃーねーじゃん。ちょっとヤボ用があったんだからさ。ちょっとばかし遅れたぐれーでイチイチうるせーなぁ」
Kさんが話をしている人はどうやらMさん? らしいが、見た目はまんまコギャル!? えっ!?
「あ、あの、もしかして妹さんです?」
「あ、はい。私の妹のMです。ほら、みなさんに挨拶しなさい」
「ちーっす。なんかいつも姉ちゃんが世話になってるみたいで、すんませんね」
ちょ、姉妹のギャップありすぎ! 一応巫女タンなんだろ? 神に仕える身だよな? Kさんには悪いけど、なんかの間違いなんじゃ?
「あの、確かご実家で巫女さんをされてるって話でしたよね?」
「そうだけど、なんか文句あんの?」
やばい。巫女タンイメージ崩壊の危機! 気をしっかり持つんだ自分!
「あ、いえ、なんか巫女さんって、いいイメージだなぁって思っていたんで」
実際は見た目まんまコギャルでどう見ても巫女タンのイメージとはかけ離れた相手に対し、かなりのお世辞を言わせていただきました。
「そう? アタシにとっちゃ一日中座って参拝客の相手したり、境内の掃除したり、めんどくさいことばっかだけどさ」
「ははは……。それは大変ですね……」
その後、小声でS先輩に聞いた。
「S先輩。Mさんってああいう人だって知ってたんですか?」
「あ、いや、実はオレも知らなかったんで、ちょっと面食らってる」
やっぱりそうか。どうりでKさんもあまりMさんのことを喋りたがらなかったわけだ。それはともかく。
「まぁ、こんなところで話してるのも何ですし、さっそく居酒屋に入りますか」
巫女のMさん(中編2)に続きます。