故郷の震災復興の現状と小さな希望
ここは自分の実家がある宮城県亘理町荒浜という場所の風景だ。東日本大震災の爪痕は2年以上経っても、未だに残っている。
ここは「鳥の海」という湾。津波被害で壊れてしまい、もう使われることのなくなった桟橋。ここへ降りる入り口も閉ざされたままだ。
ここ「鳥の海」には漁港もある。ここの岸壁には震災前はたくさんの漁船が停泊していたのだが、こちらも津波被害で岸壁が壊れてしまい未だに修復中だ。
ここは町営の温泉施設である「わたり温泉 鳥の海」というところ。ここも津波被害を受け、一般客への営業は停止している。
だが現在、がれきの2次処理を担う業者さん達の宿舎として、一時的に利用されているという。ここの改修には5億以上かかるらしい。
14年度に一般客向けの営業再開を目指している。
ここは施設の裏側に回ったところ。壁に津波到達ラインが書かれている。震災当時は宿泊客が上階に取り残され、救助ヘリで救出されるまで数日かかったそうだ。
こちらでも護岸修復のためクレーンがフル稼働していた。
この爪はさきほどのクレーンの予備なのか?これで海底の岩や瓦礫を取り除くのだろう。
正面一番奥に見える山頂が雲に隠れてしまっている山は「蔵王」という名の山。本来晴れていればはっきり山頂まで見え、ここからの眺めがいいのだが残念。
こちらの岸壁は場所的に修復の優先度が低いため、後回しにされているのだろう。未だに壊れたままだ。
ここまで紹介してきた写真は、主に負の部分だけだが、小さな希望もある。
修復が済んだ側の岸壁では、子ども達がのどかに釣りを楽しむ姿も見られたからだ。
震災以前、鳥の海漁港周辺には、休日ともなるといっぱい釣り客がいたものだった。
それが震災以後は、全然見られなくなっていただけあって、
その子ども達を見ていると、そこだけ震災以前の光景を思い出し懐かしく感じた。
そして少しずつ復興が進んできていることも確信した。
たが、まだ復興は道半ばであることも確かだ。
自分の生まれ育った故郷、荒浜。
早く以前の賑わいを取り戻して欲しいと切に願う。
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