歳を重ねることによってしか得られないもの
いつから付いていた傷なのだろう。
ふとドアノブを見てみると、こんなにも傷だらけになっていたことに気づいた。
もちろん開け閉めの際に触るので、ある程度傷が付くのはしようがないし、そもそも自宅は築13年も経っているので、このくらいの傷がついていてもおかしくはないのだが、それにしてもこのメッキのはげよう。何かをぶつけてしまったかのようだ。
何かぶつけたことあったっけ?
基本的に手のひらでしか触らないので、こんなにメッキがはげるほどの強い衝撃を与えた記憶がないのだが、このままではさすがに見た目が悪い。
でもメッキだから再塗装で直せるものでもないし、新しいものに交換するしかないな・・・。
人間は誰しもが歳をとる。それは絶対に抗うことが出来ない運命だ。
しかし歳を重ねることによってしか得られないものがある。
それが人生経験といわれるもの。
歳を重ねるとは、自分の人生経験を文字どおり重ねることであり、これは自分が若い時には絶対に得ることができないものだ。
自分は、今回の一連の流れによって人生経験を得て、やっと自分自身を変えることができたが、以前のエントリにも書いたが、この大切なことをもっと若いうちから知っておけばよかった、とは思わなかった。
もちろん知っておいた方が良いことに間違いはないが、仮にタイムマシンがあったとして、現在の自分が若い頃の自分に「こういう結果になるから人間関係を大事にしておけよ」と言えたとしても、当時の自分にはまったく効果はなかっただろう。
人間というものは、自分と違う価値観に対しては認めることはあっても、自分からそうしようと思わない限り、受け入れることはしない。
「人間関係を大事にする」という価値観がなかった当時の自分には、現在の自分の価値観を受け入れることなど絶対にできなかっただろう。受け入れることができなければ、当然変わることもできない。
それを今回の経験によって、やっと自分の価値観を変えることができた。
確かに遅すぎたかもしれないが、それは後悔すべきことではない。
この経験を無駄にせず、今後に生かすこと。
これこそが今後の自分にとって重要なことだ。
そう考えると、このドアノブの傷もドアノブ人生(?)を重ねてきた結果で、しようがないのではなく必要なことだったのかもしれない。「傷も味のうち」と言うしな。
そう自分を納得させ、ドアノブを交換することや、その傷を直すこともしないことにした。
#決して「お金がもったいない」とか「交換するのがめんどくさい」とか思ったわけではないことを、最後に強調しておく。